(CNN)-夜遅くまで起きているために、カフェインやコーヒー、エナジードリンクを飲む人も多いことでしょう。しかし反対に、寝つきをよくするために口にするものに関してはあまり多くのことが知られていません。
アメリカ疾病管理予防センター(the Centers for Disease Control and Prevention)によると、アメリカの3分の1以上の大人は十分な睡眠をとれていないようです。
そんな人は、この記事を読んで寝つきを良くして睡眠の質を高める食品というのを確認していきましょう。必須アミノ酸の一種である'トリプトファン'が鍵となっていきます。
「特定の栄養素が睡眠に及ぼす影響に関する研究というのはいまだ不十分であるというのが現状です。しかしながら、'トリプトファン'に関しては睡眠を誘発するということが分かっています。」
こう語るのはアリゾナ大学の睡眠と健康研究プログラムの責任者であるマイケル・グランナーさん(Michael Grandner)です。
アミノ酸である'トリプトファン'はいったん体内に吸収されると、メラトニンとセロトニンという睡眠に関連する2つの脳化学物質へと変換されます。メラトニンは睡眠ホルモンと呼ばれ睡眠サイクルを正常に保つ効果があり、セロトニンは身体を落ち着かせて眠気を引き起こす効果があります。
「感謝祭(アメリカの祝日。七面鳥の日と呼ばれることもある)の時に夕食を食べると何故か眠くなってしまうというのは、七面鳥に含まれている'トリプトファン'が原因なんです。」
こう語るのはミネソタ州にあるメイヨー・クリニックの栄養と予防医学に詳しいドナルド・ヘンスラッド医師(Dr.Donald Hensrud)です。
この'トリプトファン'は七面鳥だけに含まれているというわけではなく、他の食品にも含まれていて一部のものは七面鳥より多くの'トリプトファン'を含んでいるのです。
「'トリプトファン'を豊富に含む食品は主に、かぼちゃ・ゴマ・卵白・大豆・低脂肪チーズ・鶏肉といったものがあります。」
とヘンスラッド医師は述べています。
メリーランド大学のメディカルセンターによると、グラノーラ・無糖の穀類・牛乳・全粒粉クラッカーといった炭水化物が豊富で高タンパク質低カロリーの食品というのは、メラトニンが体内で分泌されるのを促す効果があるとされています。
また2012年にPineal Reserch(脳科学に関する雑誌)に掲載されている内容によると、パイナップル・オレンジ・バナナといった食べ物も体内のメラトニン値を上昇させる効果があるということが分かっています。
上記のものとは反対に、食物繊維が少なく飽和脂肪酸や砂糖が多く含まれている食品というのは、寝つくのに苦労したり浅い睡眠といった、睡眠の質を下げることにつながってしまいます。
これは昨年 Journal of Clinical Sleep Medicine(睡眠医学に関する雑誌)に掲載されている研究によって判明したことです。
就寝前に、スパイシーな食べ物を食べたりカフェインの入った飲み物を飲むこともまた、睡眠の質を下げることにつながってしまいます。
食べる食品のみならず、いつ食べるかといったことも睡眠の質を高める上で重要なことです。Journal of Clinical Sleep Medicine(睡眠医学に関する雑誌)に掲載されている小規模な研究によると、就寝する6時間前にはカフェインを摂らないことが推奨されています。
さらにアメリカ疾病管理予防センターは、就寝する前の食事は避けるべきだと推奨しています。
アリゾナ大学のグランナー氏も次のように述べています。
「より良い睡眠のためには、就寝の4時間~5時間前までに食事を済ませておくのがいいでしょう。」
上記にあるような睡眠の質を高めるような食品に関してはどうでしょうか。
グランナー氏はこう答えています。
「'トリプトファン'を含む食品に関しては、就寝の1時間前までに食べ終わるのが良いでしょう。また、胃食道逆流症を患っている人は就寝3時間前までに必ず食事を済ますようにしましょう。そうしないと胃酸の逆流を引き起こして睡眠を妨げることがあります。」
特に情報の日付や数値に関しては正確なものを掲載するように心がけております。
via:What snacks to eat for better sleep/ translated by sirokuma / edited by nao
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