イソステアリン酸の原料

イソステアリン酸の簡易構造式
イソステアリン酸をつくる方法は大きく分けて3つ
①オレイン酸 からダイマー酸(廃食用油リサイクル事業の一環として得られる植物系脂肪酸を原料とした再生可能な製品)を合成する際に副生する不飽和脂肪酸を水素添加して作る。
②ノニルアルデヒドのアルドール縮合物の水素添加後、酸化して作るアルドール縮合法( 2-イソヘプチルイソウンデカン酸)
③ガーベット法(2-ヘプチルウンデカン酸)によって作られる場合などがあります。
(参考/①、②、③:新化粧品ハンドブック)
これらは分岐構造(上記画像だと”│”の部分)をもつ炭素数18の飽和脂肪酸であり、総称してイソステアリン酸としています。

特徴
性状
・無色~淡黄色の液状
・パルミチン酸やステアリン酸よりも融点が低く※、オレイン酸と性状が類似しているものの、オレイン酸などの不飽和脂肪酸と比較して安定し、酸化されにくい。
※補足:国内・海外文献を漁っても、何故か正確な融点(Melting points)だけ探し出せず。
パルミチン酸は63.1℃、ステアリン酸は69.6℃という点と、オレイン酸に性状が類似している(融点13.4℃)点から考えると、イソステアリン酸の融点は20~60℃内でしょうかね。
効果・用途
■高級脂肪酸/洗浄成分/乳化剤 など
非常に安定している面からオレイン酸(よりも優れた)の代用、またトリエタノールアミンと中和して乳化剤としても利用されます。
炭化水素+カルボキシル基。アルカリ成分と混ぜて使う場合が多い。石ケン合成に利用。
動植物から得られる油脂を分解や合成によって作られた油性成分。
他にもミリスチン、パルミチン、パーム脂肪など分子や大きさの由来となった動植物の名前によって名称が異なります。
■一般的に水酸化Na、水酸化Kなど、強アルカリ性の成分と一緒に配合されています。
これら高級脂肪酸とアルカリ性成分が中和反応を起こすと、高級脂肪酸アルカリ金属塩(要は石鹸)となり、洗浄成分として活躍します。
また、伸び、硬度のテクスチャー調整にも利用され、酸化チタンの表面処理剤(コーティング)にも使われています。
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