エクオールの効果や副作用とは

コラム・情報
エクオールの基となる大豆
エクオールの基となる大豆のイソフラボン

エクオールの基となる大豆のイソフラボン

エクオールとは

エクオールとは、ジヒドロキシイソフラボンやスーパーイソフラボンとも呼ばれ、女性ホルモンと似た作用を起こす植物性エストロゲンのイソフラボンの主成分、ダイジンのアグリコンと呼ばれるダイゼインから腸内の細菌の働きで酵素的に変換され、生成される成分です。

エクオールは1932年に雌馬の尿内から発見され、人の尿中にも存在することが判明しました。
(赤ちゃんから発見された というのは、エクオールではなく、エクオール産生菌

不斉炭素原子を持ち、S体とR体がありますが、人体ではS-エクオールのみ生産されています。
エクオールはダイゼインと比べてエストロゲン活性が高く、ホルモン受容体を介さない生理作用があります。

エクオールへの代謝は、大豆中の配糖体型のイソフラボンであるダイジンがヒトの消化酵素、あるいは微生物由来の酵素であるグルコシダーゼにより糖がはずれ、アグリコンの形のダイゼインになる反応が初反応です。引き続き、特定の腸内細菌により還元を受け、ジヒドロダイセンを経てエクオールとなります。
(出典:大豆と健康~エクオールを中心に 正木恭介 著 より)

エクオールを生産できるのは5割

大豆イソフラボンの代謝産物で、腸内で生産されるが、全ての人が体内で作り出せる訳ではありません。

エクオールはダイゼインから腸内細菌によって作られますが、この細菌が体内に存在しないということです。
牛乳が体に合わない(消化・吸収できない)方と同じような原理です。そのため現在は体内でエクオールを生産させるための乳酸菌の研究、開発も進んでいます。
現在、エクオールを体内で生産できる方も、抗生剤などの影響で生産する菌が死滅してしまったら、エクオールを作り出すことができなくなります。

特に、大豆をあまり食べない人種はこれが少なく、ベジタリアンや大豆をよく食べるアジア地域ではエクオールを生産できる体質が多くなっています。(日本人5割、欧米人3割)これらのエクオールの生産に関しては尿から検査することができます。

これは加齢と共に減少する訳でもなく…

30歳未満の生産率が40歳以上の約1/2だという報告もあります。
(出典:Takimoto Y.:Food Style21,17 より)

このように、女性ホルモンが減少するのと同じような、更年期や加齢が原因とも言い切れません。

解説
ちなみに動物のげっ歯類や鶏はほぼ100%エクオールの生産が可能です。

家畜や牧畜は生まれた時からイソフラボンを含むマメ科の植物やクローバー(特にレッドクローバー)などの牧草を食べ続けていますからね。最強のベジタリアンです。

このように、エクオールの生産可否は生物が今まで食べてきた食材によって左右されるようですが、まだまだ不明点も多く残されています。

ヒトの体内からエクオールを作り出せる菌

2010年までに報告されている、ヒトの腸内でエクオールを作り出せる菌。
ヒト以外を含めると2010年までに15種類の菌が確認されています。

エゲレセラ属(Niu-O16株,YY7918株)
4種混合菌(EPC4)
アラッキア属(TM-30株,DZE株,FJK1株,NATTS株)
アドラークロイチア属(FJC-B9株)
バクテロイデス属(E-15株)
コリネバクテリウム科(E-17株)
ストレプトコッカス属(A6G-225株)
ラクトコッカス属(20~92株)
(引用:生物と科学.51 エクオール生産菌単離・同定に関する報告例 より)

エクオールの効果

エクオールの効果は、ホットフラッシュ、過剰発汗など更年期障害の諸症状、PMS、閉経後の骨量減少の抑制(骨粗鬆症予防)、体脂肪増加の抑制、食欲の抑制、乳ガン、前立腺ガン、前立腺肥大、脱毛抑制、糖尿病、動脈硬化、利尿作用

乳ガンの発症率の減少は早い段階で明らかになっています。
(参考:Ingram,D.,et al.:Lancet,350,990-994 (1997))

インスリン分泌を促進する作用がある為、糖尿病にも有効になり、更年期障害では、特にホットフラッシュと首・肩こりの改善がみられています。

そして5α-DHTという脱毛の原因をエクオールは阻害(抗アンドロゲン作用)し、脱毛症の予防に。脱毛抑制剤としても利用されています。

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そして大豆イソフラボンと同じく、ダイエット効果もあり、メタボの予防や、コレステロール値、糖尿病の治療にも使われていますし、食欲を減らす効果も期待されています。

腸肝循環で蓄積した遊離型エクオールが小腸上部に作用し、食欲抑制効果が引き起こされる可能性が示唆された
(出典:エクオールの抱合代謝産物の解析 愛媛大学農学部生物資源学科栄養科学分野 より)

アンチエイジング向けエクオールサプリ NMN+イソフラボン

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抗酸化作用ではなく、エストロゲン受容体βを活性化することで、肌の老化防止作用もあります。これは他のバストアップサプリでも同様に植物性エストロゲンの効果という事でしょうか。
もちろん抗酸化作用もあり、そちらの面から肌などのアンチエイジング効果も期待できます。

閉経後の女性がエクオールを1日10~30mgを12週間摂取することにより、目じりのシワの大きさ、深さが大きく改善されたこと、エクオール摂取によりホルモン濃度など生理学的異常は見られなかった
(出典:Oyama A.,et al.:Menopause,19,202-210(2012) より)

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大豆イソフラボンの効果。実は、「エクオールの作用のおかげではないか」とも言われています。

ですので効果は類似していますが、植物エストロゲンとしての作用は、大豆に含まれる他の成分、ダイゼイン、ゲニステインよりも高いとされていますので、
更年期障害やPMSの対策で大豆イソフラボンのサプリを摂取するのであれば、エクオールのサプリを選択した方が良いでしょう。

解説
女性ホルモンへの悪い作用はなく、年齢肌への効果のみ実感できるということですね。
解説
植物性エストロゲンなら、作用は弱くとも何かしらホルモンに作用しそうだけど??
解説
ホルモンに作用はしますが、乳腺や子宮に作用するエストロゲン受容体αではなく、エクオールは、もう一つの骨や前立腺、視床下部にあるエストロゲン受容体βを選んで結合しようとする(βに対する親和性が高い)為のようです。

大豆イソフラボンもエストロゲン受容体βとの親和性が強いですが、エクオールはそれよりも強く結びつこうとします。

・エクオールの主な作用

βに作用するエストロゲン作用更年期障害、骨粗鬆症、乳がん、美肌、シワ、メタボなど脂質異常
抗アンドロゲン作用前立腺肥大、前立腺ガン、脱毛症
抗酸化作用シミ、シワ、動脈硬化

経口摂取でも効果がある

体内で作り出せない方もいると前述しましたが、エクオールを直接摂取することで、しっかり小腸から吸収され効果を期待できます。

バストへの効果

肌老化に対する試験では、「乳房、膣、子宮への影響は認められませんでした。」
という報告があります。豊胸はちょっと厳しいかもしれません。

普通の植物性エストロゲンであれば、大豆イソフラボンよりも作用が強いことも示唆されていますし、豊胸作用も…と言いたいことろですが、現段階では報告がありません。植物性エストロゲンのバストに関する試験はあまりされていなく、更年期障害の研究/試験などの副成果でもあるので、これからのエクオールサプリの動向を見ればいずれ分かるかもしれません。

エクオールの含まれる食材/素材

エクオールが生成される乳製品

エクオールが生成される乳製品

大豆、卵、乳製品、そして牧畜された家畜の肉などに含まれていますが、食品からの摂取は100gに10μg(1g=1000000μg)程度しか含まれていない為、あまり効率的ではありません。(推奨量が10mgからなので、1日100kg以上食べなくてはいけない計算になりますよね?到底無理です)

普段の生活から効果を期待するのであれば、豆乳やヨーグルトなどをかなり長期的に摂取する必要があるでしょう。

但し、これらの素材からエクオールを体内で作り出す必要がある為、元々エクオールを生産できない方は食べても効果を期待できません。
この場合は、サプリメントで直接摂取するか、今後開発されるであろう(前述した菌を利用してエクオールを抽出したサプリは既にあります)、エクオールを作り出す菌を配合した食品(サプリ)を摂取するしかありません。
上記の菌の中にラクトコッカス属がありますが、これはチーズやカスピ海ヨーグルトに利用される為、エクオールを生産できなくても効果がるかもしれません。(ですが、摂取できる量は少ないです)

エクオールの安全性

ヒトの試験による報告によれば、エクオール最大320mg/日 定期的な摂取は160mg/日 までは安全性が確認されています。
副作用は報告されておらず、染色体異常試験でも陰性だった為、安全と言えるでしょう。
体内に留まる期間も短く、短期間で尿により排出されます。

特にサプリメント(エクオール含有大豆乳酸菌発酵食品)は、遺伝毒性、一般毒性、生殖毒性、催奇形性試験。そしてアメリカではself-GRASの認証も受けているので、より安全です。

但し、植物性エストロゲン作用がありますので、ピルなど女性ホルモンに作用する薬との飲み合わせはいけません。その他、植物性エストロゲンを含むサプリや食材は同時摂取を避け、利尿薬など作用の重複する薬を飲む場合も同時摂取したい場合は医師に相談して下さい。

エクオールの摂取目安量

1日10~30mg

更年期障害対策の場合は~40mg/骨粗鬆症やメタボの場合は10mgでも効果を期待できます。
(基本的には各薬やサプリメントの推奨量を優先して下さい)

解説
経口摂取でも効果はあるものの、食品からの摂取はごく微量。
こうなったらサプリメントの出番ですね!
サプリメントの区分としては、「エクオール含有大豆乳酸菌発酵食品(SE5-OH)」、または「大豆胚芽抽出発酵物含有食品」と表記されています。

相性の良い素材/成分

エクオールの生産に関係している、食物繊維、フラクトオリゴ糖、ラクトビオン酸、緑茶、多価不飽和脂肪酸などがあります。
とりあえず身近なのは食物繊維と緑茶でしょうか。これらを摂取するとエクオールの生産性がアップします。

多価不飽和脂肪酸はEPADHAが有名ですので、これらのサプリと飲み合わせるも良いですね。
フラクトオリゴ糖はトクホ飲料で販売されていますし、フラクトオリゴ糖はカスピ海ヨーグルトに含まれ、元々大豆イソフラボンと相性が良く、更年期や骨粗鬆症に良いとされています。

飲むタイミング

食前に飲むと吸収が早くなる為、食前が有効です。
基本的には食後を避ければOKです。

エクオール有効性のまとめ

解説
結局、エクオールってどうなの?

エクオールは大豆イソフラボンと同じ女性ホルモン(エストロゲン)作用があり、骨粗鬆症を含む更年期の症状、PMS、美肌・アンチエイジングの他に、薄毛対策や脂質異常、ダイエット向けの効果を期待でき、尚且つ大豆イソフラボンよりも強い作用を持っています。

大豆や乳製品を良く食べる日本人でも50%程度の人しか自分自身で作り出せない成分ですが、エクオールを直接摂取することで吸収ができるサプリメントにとてもマッチし、30代以降の方に特に有効な成分です。

製品化されたエクオールサプリメントは安全性も高く、副作用の心配もありません。

サプリから観るエクオール

小林製薬エクオール

小林製薬エクオール

素材としては、エクオールの他に、ブラックコホシュという植物性エストロゲンを使用。植物性エストロゲンは女性ホルモンと似た作用を持ち、ホルモンバランスを整え、更年期障害や月経不順、PMSなどの軽減に効果を期待できます。

そして他にも酵素処理ヘスペリジンとテアニンが配合されていますが、こちらは抗酸化作用(アンチエイジング効果)を期待。前述した植物性エストロゲン2種にも抗酸化作用があります。


アンチエイジング向けエクオールサプリ NMN+イソフラボン

アンチエイジング向けエクオールサプリ NMN+イソフラボン

アグリコン型イソフラボンには、抗酸化力が高く、エクオールの原料ともなるダイゼインが70%以上含まれ、エクオールへの代謝も期待できます。
(出典:http://item.rakuten.co.jp/mirai-lab/nmn-isoflavone-60?scid=af_pc_etc&sc2id=353915313/ NMN+イソフラボン (60タブレット) より)


更年期とアンチエイジング向けサプリ エクオール10mg ラクトビオン酸150mg

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大豆イソフラボンをエクオールに代謝できない方にも、大豆製品をあまり召し上がらない方にも。大人の女性のゆらぎのための、新世代サプリメントです。
大豆由来の安心で身体に優しいサプリメント。ホルモン療法はちょっと不安・・・とお感じの方にも。
(出典:エクオール+ラクトビオン酸 より)


乾燥肌、お通じ、ダイエット向けサプリ ノムダス

年齢による体の不調は女性ホルモンであるエストロゲンの減少が原因の1つだと考えられています。
エストロゲンに似た成分がエクオールであり、「ノムダス」には女性が喜ぶエクオールを作り出す成分を使用しております。
(出典:ノムダス より)


大塚製薬 エクエル 112粒

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女性のゆらぎ期には、女性ホルモンであるエストロゲンの減少が関係しています。
女性にとって大事なホルモンのひとつ「エストロゲン」これは月経や妊娠を司り、その他にも肌や髪をつややかにしたり血管や骨の健康を保ち、さらには脳や自律神経のバランスまで整えるとても大事な成分なのです。

しかし、40歳くらいを境に減っていき、それに伴い様々な不調が出ることで「ゆらぎ」が発生します。
近年、そのエストロゲンによく似た働きをする成分が発見されました。それがエクオールです。

大豆を乳酸菌で発酵させて作ったエクオール供給食品。 「エクオール」は大豆イソフラボンに含まれるダイゼインという成分が、腸内菌の力を借り、変換されて生み出されます。ダイゼインのままと比べ、よりエストロゲンに似た働きをすると言われています。
(出典:大塚製薬 エクエル より)


 

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