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血圧の調整に大きな役割を果たすアンジオテンシン変換酵素とは

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アンジオテンシン変換酵素とは

アンジオテンシン変換酵素とは亜鉛を中心金属としたメタロプロテアーゼであり、アンギオテンシンIをアンギオテンシンIIに変換する反応を触媒する酵素です。
主には肺の血管内皮細胞によって産生され、血中に放出されて酵素としての役割を果たしています。

アンジオテンシンIIは強い血圧上昇作用を有することから、アンジオテンシン変換酵素の活性が上昇することによってより多くのアンジオテンシンIがアンジオテンシンIIに変換され、血圧を上昇させることになります。こういった血圧の制御系においているタンパク質がアンジオテンシン変換酵素です。そういった興味深い活性があることから、その高次構造や分子レベルでの機能についても研究が行われてきています。

構造的な特徴としてはアルファヘリックスが密集した構造を有しており、亜鉛イオンを内包しています。これによって担われる機能はアンジオテンシンIからアンジオテンシンIIへの変換ですが、その本態はアンジオテンシンIの末端から2つ目のアミノ酸であるヒスチジンと3つ目のアミノ酸であるフェニルアラニンの間のペプチド結合を選択的に切断するというペプチダーゼ活性によるものであることが知られています。この特異性の高いペプチダーゼ活性によってアンジオテンシン変換酵素はアンジオテンシンIをアンジオテンシンIIとヒスチジンーロイシンというジペプチドに切断し、血圧上昇を生じさせているのです。
こういったメカニズムが解析されたことにより、アンジオテンシンIをアンジオテンシンIIに変換する反応を阻害することによって血圧の上昇を抑制できると考えられ、高血圧治療薬の標的分子として注目を浴びてきており、アンジオテンシン変換酵素を標的とする医薬品が多数開発されてきています。アンジオテンシン変換酵素はブラジキニンも基質として分解することから、この種の治療薬は空咳を誘発しやすいという欠点を有してしまっています。

アンジオテンシン変換酵素の役割

アンジオテンシン変換酵素はレニン-アンジオテンシン系の血圧制御において重要な役割を果たしています。

腎臓で産生されたレニンが肝臓に運ばれ、アンジオテンシノーゲンに対して作用することにより、アンジオテンシンIが産生されます。これをペプチダーゼ活性によって切断することによりアンジオテンシンIIを産生するのがアンジオテンシン変換酵素の役割です。
これによってアンジオテンシンIIがアンジオテンシンII受容体に作用することによって生理活性が発現されます。アンジオテンシンII受容体にはサブタイプがあり、アンジオテンシンII受容体1には血管収縮やアルドステロン分泌作用などがあり、全体として血圧を上昇させますが、アンジオテンシンII受容体2は血管拡張や一酸化窒素の発生を介して血圧を降下させるように働きます。

全体の効果としてアンジオテンシンII受容体1による血圧上昇作用の方が大きいことから、アンジオテンシン変換酵素の活性が上昇すると血圧が上昇することになります。

一方で、アンジオテンシン変換酵素はキニン-カリクレイン系においてブラジキニンの不活性化を行う役割も果たしています。

ブラジキニンはブラジキニン2受容体を介して一酸化窒素の産生等を促して血圧を低下させることから、やはりアンジオテンシン変換酵素の活性が高まるとブラジキニンの不活性化を介して血圧を上昇させることになります。
つまり、全体としてみるとアンジオテンシン変換酵素はその活性が高まることによって血圧を上昇させ、活性が抑制されることによって血圧を低下させます。このようにして、レニンーアンジオテンシン系、キニンーカリクレイン系の二つを介して血圧のコントロールを行うのがアンジオテンシン変換酵素の役割です。先に述べたようにその活性の制御が医薬品の開発において活用され、アンジオテンシン変換酵素阻害剤が高血圧治療薬として広く開発され臨床の場で使用されています。

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