拡散、共有していただき有難うございます。
 

3)安定化成分

アクアアクア オーガニックデュオシャドー 01ココナッツベージュの成分
コスメの安定化成分

コスメの特徴・肝となる機能性成分の次は、安全に使い続ける為の安定化成分です。
テクスチャーを良く(使用感を安定)する成分でもありますが、製品の劣化を防ぐのが大きな役割となります。

以下の太字は検定試験にて特に出てくる事柄です。

増粘

・安定化成分の1つの役目としてあるのが、粘度調整。
適度なとろみやかたさを与えるだけでなく、乳液の分離を抑制する働きも兼ねています。この機能は界面活性剤と類似しているのですが、増粘剤に界面活性剤の機能も加えた高分子乳化剤という成分も存在しています。

・尚、増粘剤には水を増粘させるものと油を増粘させるものが存在しています。

下記以外の水増粘成分では、粘土系のケイ酸やベントナイトなど
油では粘土の成分を油用に改質(有機変性粘土鉱物)したジステアルジモニウムヘクトライト、ステアラルコニウムヘクトライトなどがあります。

カルボマー

カルボキシビニルポリマー

・粉体

・水にとろみを与える合成ポリマー※
カルボマーには植物繊維と合成したセルロースガム、アクリル酸系合成高分子などが存在します。(この種類選択によって粘度を調整可能)

・水を抱え込む力が強く、低刺激かつ微生物汚染にも強い。

・増粘するにはアルカリ性成分と反応せさる必要があるため、水酸化K、水酸化Naと同時に配合されています。

水酸化Kと中和反応させた後の名称で表記する場合は、カルボマーKとなりますが、中和後の状態のカルボマーは塩分によって急激に粘度が落ちる特徴があります。
これは汗の塩分でも影響するので、カルボマーが配合された製品にはスパチュラが付いていることが多くあります。

■塩分とスパチュラ例
糀肌くりーむを手に取る

糀肌くりーむの成分より

糀肌(こうじはだ)くりーむ&ミニ2点セットの糀肌くりーむを参考にあげると...
コスメ成分/カルボマーとアルカリ剤の配合例

カルボマーとアルカリ剤の配合例

こちらの製品もスパチュラ付き。
カルボマーに加えてアルカリ剤であるTEAが配合されており、中和反応させていることが分かりますね。この状態で汗が多量に入ってしまうと粘度が失われてサラサラになってしまうかもしれません。

ただ実際に指で使用しても問題はありませんでしたので、余程の塩分が混入しない限り気にする必要はないかもしれませんが、長期使用/(途中で長期)保存する場合は気を付けた方が良いかもしれません。

※ポリマーとは
「多く連なる」の意。重合体や高分子とも言われる通り、非常に多くの原子が結合して成る巨大分子。

ペクチン

・粉体

・こちらは柑橘類の果皮などから抽出される天然(多糖類※)由来のポリマーです。

・カルシウムと合わせるとかためのゲルを作れる(但しペクチンの原料による)

※多糖類とは
ブドウ糖やソルビトール、キシリトール果糖など糖類が多数結合したヒモ状の大きな分子。大きくないものはオリゴ糖。

解説
食品添加物でもよく見かける成分で、特にジャムが印象的ではないでしょうか。
あの固まった感じはペクチンによるものなのですね。

食品でも使われるように低刺激で安全性も高いですが、微生物の栄養源にもなってしまうため劣化しやすいとの事。

キサンタンガム

・粉体

・こちらも天然由来のポリマーで水にとろみを与えます。
・熱湯に溶けやすく、低濃度になると高粘度の溶液になる面白い成分。

・天然なのでキャベツに含まれていますが、コスメなどにはトウモロコシでんぷんから抽出した炭水化物をキサントモナス菌を使って発酵させたものが使用されています。

・ファンデ・アイシャドウなどを固形にする為の結合剤として利用。

パルミチン酸デキストリン

・粉体

・高級脂肪酸※のパルミチン酸とでんぷん由来のデキストリンの化合物です。

・こちらは水ではなく油にとろみを与えます。
粉体や色素を均等に分散(安定)させるのでメイク製品に使用されます。


種類特徴
炭化水素水分の蒸発を抑制。保水に優れ、乳化しやすい。
高級脂肪酸炭化水素+カルボキシル基
アルカリ成分と混ぜて使う場合が多い。石ケン合成に利用。
高級アルコール炭化水素+水素基
クリームのかたさ調整、乳化補助として利用。
油脂天然の油性成分
液体は油、個体は脂。
水分蒸発の抑制や柔肌のエモリエント効果に優れる。
ロウ(ワックス)高級脂肪酸+高級アルコールが結合した構造を持つ天然の油性成分。
かたさ調整、ツヤ出しに。
エステル油天然と同じ構造or合成の油性成分。
様々な用途があります。
シリコーンシリコーンは水に溶けにくいですが、油にも溶けにくく、各所によって分類が異なっています。
そして「シリコン」はケイ素(金属元素)であり、「シリコーン」は化合物である酸化ケイ素となっています。
(なのでシリコン表記は実際はシリコーンの場合も)
解説
増粘剤の役割に関しては、上記のようにとろみを与える増粘/ゲル化の他にもヒアルロン酸Naやコラーゲンの保湿、感触を向上させるポリクオタニウム-7/10、感触調整のポリエチレン粉末やナイロン粉末、皮膜を形成するポリビニルアルコール(PVA)、(ビニルピロリドン/VA)コポリマーなどがあります。
解説
コラーゲンやヒアルロン酸などは保湿とあるように機能性成分(美容成分)でもありますが、配合量によってトロミが付きます。
防腐

・化粧品はヒトの肌に密着する製品。安全な成分を使っているからこそ微生物にも良い環境になり、腐ってしまう可能性もあります。

そこで添加されるのが防腐剤です。
日本ではポジティブリスト内で限定された防腐剤のみの使用が許可されています。

・防腐剤の役割は抗菌作用の中の「殺菌」に該当し、死滅or減少させる事にあります。
また、抗菌作用の中には殺菌とは別に「静菌」が存在しています。

 抗菌━殺菌
   ┗静菌

・静菌:防腐剤フリーまたは防腐剤無添加の場合であっても防腐剤は使用しないものの、「静菌」という微生物が育ちにくく、結果的に自滅させる方法を用いて防腐しています。もちろん化粧品の中でも防腐する必要がない(菌が繁殖しない)防腐していない製品も存在します。

添加物による防腐だけでなく、密閉性の高い容器を使うなど別方面から防腐効果を高める方法も必要になってきます。

メチルパラベン

・パラオキシ安息香酸メチル/パラベン/ポジティブリスト

・粉体

・水溶性で広範囲(非常に多い)の微生物への殺菌力を備えています。
パラベンにも種類があり、代表的なものはメチルパラベン、エチルパラベンプロピルパラベン、ブチルパラベンですが、今回のメチルパラベンはこの中で最も殺菌力が弱い分、肌への刺激も少ない成分です。

殺菌力の強さは ブチル>プロピル>エチル>メチル の順です。

単体の他、これらのパラベンを組み合わせる事によって殺菌力を上げることが可能ですが、全成分表示内では「パラベン」とひとくくりにされていることが多く、種類を知ることはできません。

・パラベン類はイメージから敬遠されがちな成分ですが、防腐・安全性が高いため食品の保存料としても使われています。

フェノキシエタノール

・ポジティブリスト

・液体

・グリコールエーテルというアルコール。

・パラベンが効きにくい微生物に有効なのでパラベンと組み合わせて使用されることがありますが、パラベンよりは殺菌力が劣るため、単独で配合される場合は比較して配合量が多くなる

解説
玉露の揮発成分として発見されたそうです。
安息香酸Na

・安息香酸ナトリウム/ポジティブリスト/旧表示指定成分(ごくまれにアレルギーを引き起こす成分。現在はこれ以外の全成分表示も義務付けられています。)

・粉体

・名前の通り安息香という木の樹脂に含まれ、水に溶けやすい成分。

・殺菌作用は弱いですが逆に静菌作用が強く、安定性に欠ける為パラベンと併用されることが多い。飲料の保存料としても有用な成分です。

メチルクロロイソチアゾリノン

・ポジティブリスト

・液体

・日本では単体使用不可。メチルイソチアゾリノンとセットで使用しなくてはなりません。
主に海外の化粧品で使われています。

ヒノキチオール

・ポジティブリスト

・結晶/粉体

・安息香と同じく木の樹脂由来ですが、こちらはヒノキ。化学合成によって作られる場合もあります。
安息香と違いアルコールに溶けやすい性質を持ち、ヒノキやヒバ油など精油中にも存在している成分です。

・医療では結核菌の殺菌や皮膚疾患、歯槽膿漏(しそうのうろう)の治療にも使われる防腐効果の強い成分で、ヘアケア製品の防腐剤としても活用されています。

o-シメン-5-オール

・イソプロピルメチルフェノール/シメン-5-オール/ポジティブリスト/旧表示指定成分

・結晶/粉体

・パラベント同じように広範囲の対微生物、高い殺菌作用を持ち、更に皮膚刺激性がほとんどありません。
防腐の他にもニキビや肌荒れの改善やフケを抑える作用も持っています。

ベンザルコニウムクロリド

・塩化ベンザルコニウム/ポジティブリスト/旧表示指定成分

・粉体

・カチオン界面活性剤(ベース成分の1つで帯電(静電気)防止、殺菌効果)で洗浄力はほぼ期待できず消毒(殺菌・防腐)の目的でヘアケア・デオドラント製品によく配合されます。

酸化防止

化粧品に配合された成分が酸化してしまうと変質を起こし肌に悪影響を及ぼす恐れがあります。
そこで使用されるのが酸化防止剤。酸化を途中で止める、または酸化スピードを遅らせることで成分の変質を防ぎます。

尚、機能性成分の酸化防止(美白やエイジングケア)にも使われている成分が多くあります。

BHT

・ジブチルヒドロキシトルエン/旧表示指定成分

・結晶/粉体/塊

・水に溶けませんが耐熱性に優れています。

・効果を高めるためにアスコルビン酸(ビタミンC)などと合わせて使われています。

解説
アスコルビン酸と同じく自らが酸化することによって相手(脂質)の酸化を防ぐ自己犠牲成分!
アスコルビン酸

ビタミンC

・粉体

・酸化防止作用が強く水にも溶けやすいため、飲料にも利用されています。

・機能性成分で使用されているアスコルビン酸と同じく水、熱、光に対して弱く壊れやすいため、分子構造を少し変えたエステル化、誘導体化することで安定させています。
ですので化粧品の成分表示ではアスコルビン酸ではなく、ステアリン酸アスコルビルやリン酸アスコルビルMgなどになっている場合が多いです。

トコフェロール

・dl-α-トコフェロール/d-α-トコフェロール/天然ビタミンE

トコフェロール天然ビタミンE
水にはほぼ溶けずアルコール、オイルにはよく溶けます。

・酸化防止の機能の他にも機能性成分の血管拡張型にも該当し、肌荒れ・老化・くすみ防止の為にも配合されます。

解説
現在はトコフェロールに統合されていますが、以前は上記のように由来によって名前が分けられていました。
しかしdl-α-トコフェロールに関しては肌への刺激があるため旧表示指定成分になっていました。

天然ビタミンEも実際は多数の種類があり、α-トコフェロール、β、γ などで分けられています。

キレート

・水に含まれるミネラルは栄養成分ではあるものの、石鹸の泡立ちや洗浄力を極端に落としてしまいます(石けん素地の場合はカルシウム/マグネシウムがNG)。また微量でも化粧品の他成分と反応し、変色(褐色に)してしまいます。

そこで使用されるのがキレート剤です。キレート剤=金属イオン封鎖剤 とあるように、キレート剤がミネラル(金属イオン)と結合する事によってこれらの障害を無力化します。

エチドロン酸

ヒドロキシエタンジホスホン酸液

・液体

・水に溶けやすく変色、変質を防ぐ為に使われます。

解説
規制はされていませんが、エチドロン酸が配合された製品の使用後はよく洗い流すことが推奨されている との事。
EDTA-2Na

・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム/エデト酸塩/旧表示指定成分

・粉体

・洗顔やシャンプーなどに利用され、酸化防止剤としても使われます。目薬に使われるほど低刺激な成分。

・環境汚染を防止する為のPRTR法にて指定を受けているEDTAとは構造が異なります。

pH調整

・pHを調整する成分。アルカリ剤と酸性剤があり、0~14内で中性はもちろん「7」ですが、ヒトの肌は4.5~6.5の弱酸性になっており、必ずしも中性にするものではなく弱酸性に安定化させたり、他の成分が作用しやすい状態に傾けます。

石鹸は主にアルカリ性ですが、アルカリ中和能という機能により使用後は自然と弱酸性に戻ります。

・pHを安定させるのが難しい場合には複数の成分を組み合わせて使用しますが、これをpH緩衝剤と呼びます。

・下記以外のアルカリ剤としては水酸化Kやアルギニンなど。酸性剤としてはリン酸や乳酸などが該当します。

水酸化Na

・苛性ソーダ

■アルカリ剤

・個体

・食塩水を電気分解して得られる成分です。非常に水に溶けやすいアルカリ性。

・強アルカリ性で腐食性の高い劇物となっているため、単体で配合されず他の酸性成分と中和反応させて利用します。

※中和反応によく合わせられる成分
・主に石鹸/油脂、高級脂肪酸などの油性成分

カルボマー、「(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーなど増粘剤として

TEA

トリエタノールアミン/旧表示指定成分

■アルカリ剤

・液体

・アンモニア水と酸化エチレンの反応で作られるアミノ酸。少しアンモニア臭があります。

・合成界面活性剤の原料/ステアリン酸と合わせて乳化成分に/カルボマーの中和剤として など

クエン酸

■酸性剤

・結晶/粉体

・ヒトのエネルギー代謝の役割も担い、細胞の活動を促進(クエン酸サイクル)する効果も。

・健康サプリの成分や食品添加物にも利用されます。同じく安定化成分の金属イオンの働きを封鎖するキレート剤としてもっ配合されることがあります。

・無論、酸味があり安全な成分です。

リンゴ酸

・DL-リンゴ酸

■酸性剤

・結晶/粉体

・リンゴだけでなくザクロやブドウなど果実の他、野菜にも含まれています。
合成で作り出す事も可能で、その場合はDL-リンゴ酸と表記されています。

・pH調整剤の他にも食品の酸味料やコスメでは強めの酸性を活かしたピーリング剤としても使われています。
フルーツ酸(AHA)を使用していると紹介されている場合は成分にリンゴ酸が入っている場合が多くあります。