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1)成分表示・ベース成分

透肌化粧水・竹(しっとり)を手に取る
1)成分表示・ベース成分
各化粧品検定の教材

各化粧品検定の教材

こちらは以下の検定に向けた管理人自身の勉強も兼ねています。

・化粧品成分スペシャリスト(化粧品成分検定1級/2級)

検定試験について | CILA 化粧品成分検定協会

・日本化粧品検定1級/2級

日本化粧品検定について | 女性に人気の美容資格【日本化粧品検定】

まずは基礎中の基礎。成分表示やベース成分について。
以下の太字は問題集にて特に出てくる事柄です。

成分

成分は原料の中身。なので原料は成分単体の場合もありますが、混ぜ合わせるとこで別名表記になり、その素を読み解くには成分から観る事になります。

成分の表記

・2001年4月の薬事法(現在は薬機法/これら以外にも頻繁に改定されています)によって全成分の表示が義務付けられました。

この全成分とは旧表示指定成分と医薬部外品を除いた成分です。

旧表示指定成分(旧表示指定制度)の頃は、アレルギーなど皮膚障害を起こす可能性のある成分のみでも可能でした。

薬用化粧品は医薬部外品に属しますが、化粧品/ニキビ・肌荒れ防止など特定の効果を持ち、有効成分が一定濃度で配合されたものです。逆に一般的な化粧品は人体(肌)に対する作用が最も緩和であり、
医薬品>医薬部外品=薬用化粧品>化粧品 の順に作用が強くなります。

医薬品は皮膚科医が処方するクリームなど”治療”目的の”薬”。医薬部外品は”予防”目的。
化粧品は作用がマイルドで誰でも使える安全性と”お手入れや保護”を目的としています。

成分の数値

・成分のパッケージ表記で省略できる内容量は10g(10ml)以下の成分で、容器や包装材料は含まれません

主に配合量順で表記することが義務付けられていますが、1%以下の成分に関しては準ずる必要はありません

この視点から成分表示を観ると
エタノールが1%以下と思われる位置にあった場合の用途は抽出溶媒(果実、植物エキスのなどの抽出に使用)だと想定できます。上部に表示されている場合は抗菌やテクスチャーの向上目的と想定できるでしょう。

また表示順を観ずとも配合量を1%以下と想定できるのは、1%以下でも十分に効果を発揮する、植物エキスやヒアルロン酸Na、コラーゲン類の他、防腐剤、増粘剤などが挙げられます。

製品の表示

・配合されている成分ではなく個々の製品の表示については、粘度の高い石鹸、ファンデーションなどはg(グラム)単位。
化粧水など粘度が低く、液状のものはmL(ミリリットル)で表示されます。

・国内で製造・販売されている製品に使用期限の記載は原則必須。
しかし、輸入品や製造後3年経過後も品質が安定している製品(化粧品)には使用期限の掲載は必要ありません。ですので使用期限 記載のない化粧品は未開封時(指定保存条件も満たし)に限り3年間の品質維持が可能です。

解説
使用期限がない場合は、そもそも製造日が分からないと...
■成分・内容量の表記例
コスメ成分・内容量の表記例

コスメ成分・内容量の表記例

王道十和子肌のFTC ザ ホワイトニング セラム PW(美容液)より。

美容液ですが、グラムなのでトロトロで粘度が高く、今回のエタノールはリンゴエキスなどの抽出溶媒として使われていることが分かります。

■その他の表記例
コスメの販売名と愛称

コスメの販売名と愛称

この製品でいうと「薬用アットベリー」はあくまで愛称的なものでキャッチーで覚えて貰いやすい名前などを付けています。
製品の紹介や一般的に使われる時もこちらを使用するのが一般的で正式な販売名を知らずに使っている方も多いでしょう。

一方「販売名」は役所への届出書/医薬部外品であれば承認申請書に記載された正式な製品名です。

ちなみに今回の場合は「薬用ソヴール-01」で調べてみると、OEM(外部委託)によって作られたもので、今回に至っては成分そのままにパッケージのみをオリジナルにして、独自の訴求方法で売りだしていることが分かります。

解説
こちらはかなり昔に掲載した商品ですが、こんな化粧品の初歩知識を知るだけでも観方が変わりますね...当時は全く気付きませんし気にも止めませんでした。
この場合は製造販売業の許可がなくても経費次第で独自の商品が作れるという事です。
コスメ種類の表記/種類別名称

コスメ種類の表記/種類別名称

種類別名称というのは整髪料や化粧水、化粧下地などの事。
この種類は化粧品公正取引協議会が定める種類別名称一覧の中で該当する名称を掲載します。

上記画像の場合は販売名の下に「洗浄料」や「洗顔」などの名称が入ってもおかしくありませんが、販売名の中に該当する名称が入っているので省略しても問題ありません。使用方法も名称で分かる一般的な商品の場合は省略可。

尚、クリームや美容液などは明確な区分がないので中身が同じでもクリームと表記される場合、美容液と表記される場合があり、観た方に用途が分かりやすい方を選択していることが多いようです。

コスメの販売元/製造販売元

コスメの販売元/製造販売元

販売元はそもそも表記する義務はありません。しかしOEMなどの商品になると委託した製造販売元だけ表記する事になってしまい、販売元が自社製品として明記する場がなくなってしまうので記載されている場合が多いです。

一方、製造販売元は許可(必ず日本の会社/海外製品であっても日本の輸入業者)が必要になり、製品に関する責任は全て負う事になります。流通に関わる責任に関しては販売元が責任を受け持っている場合もあります。

化粧品のベース

・化粧品のベースとなる成分は水性成分と油性成分、そして界面活性剤から成り立っています。

この3つが化粧品の70~90%を占め、残りは機能性成分(美容成分)や防腐、酸化防止剤など品質に関わる安定化成分、そして香料などのその他の成分となります。

・水性成分と油性成分は各成分ごとに明確に分ける(シリコーンは水性と表記される場合あり)ことができますが、それ以外の成分(役割)は保湿剤と防腐剤の機能を兼ねたペンチレングリコール、保湿剤と香料を兼ねた精油など1つの成分が複数の用途(役割)を持っている場合があります。

水性成分

・水に溶けやすい成分。主な働きとしては、成分を溶かす、汚れを落とす、肌を柔軟にする、浸透を高める、うるおいを与える・保つ。
基本的な上記の他、種類によって特徴があります。

種類役割/特徴
・肌にうるおいを与える。
・水の他、温泉水やローズ水 など
エタノール・清涼感や防腐剤の働きを向上。植物エキスなどの抽出溶媒としても。
・エタノールはエタノールのみ。
保湿・保水剤・OH(水酸基)が水をゆるく引き寄せることで水分の蒸発を抑制。OHが多いほど保湿・保水効果が高くなります。
グリセリン(OH3つ)、BGやDPG(OH2つ)、コラーゲン、ヒアルロン酸 など

・この水性成分(水溶性成分)の形状は色々な製品に配合しやすい液状(液体)と、乳化の安定もできる粉状(粉体)の2つに分かれ、液と粉のどちらも特性を活かし感触の調整にも利用されます。

・この他にも有名な水性の保湿成分としては「ベタイン」や「メチルグルセス-10/20」などがあります。

・もちろん水も水性成分を代表する成分で、ほとんどの基礎化粧品はこれがないと機能しません。
成分を溶かし、特徴を引き出すツールですが蒸発しやすいため他の水性成分(保湿剤)との併用が必要になります。

温泉水や天然水も存在しますが、そのミネラルが品質の邪魔になる事も。
医薬部外品の場合は水の他にも精製水、常水と細かく表記されます。

エタノール

・水性成分であるエタノールは石油由来であれば合成アルコール。植物由来であれば発酵アルコールとなります。

主に抽出溶媒としての機能を担います(上部 「成分・内容量の表記例」参照)が、配合量が多い場合は抗菌作用や揮発性による使用感の向上の為に使用されています。この揮発性は香りを立ちやすくする効果もあり。

コスメでいわれるアルコールとはエタノールの事

コスメでいわれるアルコールとはエタノールの事

アルコールフリー、ノンアルコールなど化粧品のアルコール表記に該当するのはエタノールだけであり、フェノキシエタノールやセタノールは該当しません。(エタノールとフェノキシエタノールは分子構造が全く異なる別成分です。)
グリセリン

 ■保湿・保水剤

・植物油、動物脂など天然油脂を加水分解して得られる成分です。副産物として脂肪酸も生まれます。
水と同じく成分を溶けやすくし、低温でも固まりにくい特徴もあります。

効果としては保湿。しかも他のヒアルロン酸Naやコラーゲンなどと相性が良く、保湿効果が高まり伸び、滑りが良くなります。

・水と混ざると溶解熱が発生するので「ホット○○○」などグリセリンが成分表示の上部にある場合は温感化粧品と判断できます。

フィトリフト ホットクレンジングジェル

フィトリフト ホットクレンジングジェル

レビュー済みのフィトリフト ホットクレンジングジェルを参考にあげると

いつもは水が主成分のクレンジングですが、グリセリンと置き換わり、水は1%以下しか含まれていません。これが温感化粧品ですね。

グリセリンを使った温感化粧品の例

グリセリンを使った温感化粧品の例

BG(ブチレングリコール)

 ■保湿・保水剤

・石油由来はアセトアルデヒド。植物由来は発酵エタノールから合成する多価アルコールの1つ。

BGも1%以下と想定される場合は抽出溶媒の役割ですが、成分表示の上部(上位/配合量10%前後必要)に記載されている場合は保湿・保水、抗菌作用が主な役割です。
抽出溶媒として低量配合されている場合は、上記の効果は全く発揮しません。

・防腐剤の効果を高めるため防腐剤自体の量を減らすことが可能。

解説
多価アルコールは「OH」を2個以上持つアルコールの事です。
「OH」の割合が多いと少量でも長時間の水分蒸発を防ぐことができ、保湿・保水効果が高くなります。
その中でもグリセリンは「OH」を3個持ち、その効果は

グリセリン(3個/三価アルコール)>>BGDPG(2個/二価アルコール)
となります。

DPG(ジプロピレングリコール)

 ■保湿・保水剤

・石油から合成される多価アルコールの1つ。PGプロピレングリコール)製造時の副産物(BGの副産物)でもあります。

・保湿力は穏やかで、水と同じく成分をよく溶かし、伸びをよく(粘度を低下させる)し、サラっとしたテクスチャー。

PGと比べ肌への刺激が低いのも特徴です。

1,2-ヘキサンジオール

・石油合成の多価アルコール。他BGなどと同じく保湿と抗菌効果がありますが、1,2-ヘキサンジオールはそれらよりも優れた抗菌力があります。
防腐効果は微量でも発揮されるため「防腐剤フリー」の場合はこれが使用されている場合が多くあります。防腐剤を減らす為に併用されることもしばしば。

ヒアルロン酸Na

 ■保湿・保水剤

・先述した通り、水性の成分だからといって全て液体という訳ではありません。
保湿や美容成分として配合されるヒアルロン酸Naやセラミドは粉末・個体成分で、ジメチコン、シクロペンタシロキサンは液体となっています。

その保水力は1gでも2~6Lといわれており、0.01%の配合量でもテクスチャーに変化を及ぼします。

ちなみにこのヒアルロン酸Naは分子量が大きくなると粘度が高くなりますが、成分表示から分子の大きさを特定することは出来ません。

ヒアルロン酸の種類としては
・油性成分を合わせ(とろみナシ)、角質層になじみやすく保水力、柔軟性アップさせたアセチルヒアルロン酸

・分解して角質層への浸透をよくした加水分解ヒアルロン酸(浸透型ヒアルロン酸)
などがあります。

ヒアルロン酸の効果や種類(用途)、そして副作用とは

水溶性コラーゲン

 ■保湿・保水剤

・水性成分のコラーゲンは化粧品に配合される場合、主に動物性
豚や魚の皮などから抽出した水溶性たんぱく質から精製されます。
但しセラミドは天然、疑似、合成など様々な種類があり、ヒアルロン酸Naも然り。

・通常のコラーゲンでは水にほとんど溶けないため、化粧品に配合されるものはアレルギー部分を酵素処理(除去)したアテロコラーゲンやコラーゲンは加水分解処理をした加水分解コラーゲンが主流。

加水分解コラーゲンはアテロコラーゲンよりも低分子なのでトロみはあり(感じ)ません。

解説
「この化粧水。(加水分解)コラーゲンがたっぷり入っているのでトロトロ」なんてのは嘘。別成分によるものです。
解説
(アテロ/水溶性)コラーゲンでロトロト...はアリ。
乳酸Na

 ■保湿・保水剤

石油、植物由来とありますが、どちらも乳酸を水酸化Na(アルカリ性)に中和させた混合原料です。
保湿力はグリセリンと同等で代用されている場合もあります。特に安全性が高く、食品にも乾燥防止に利用されています。多少粘性あり。

解説
ピーリングに使われる”乳酸”は酸性ですが、こちらは中和させているためピーリング効果はありません。
PCA-NA(ピロリドンカルボン酸ナトリウム)

 ■保湿・保水剤

主に植物由来のグルタミン酸から合成され、吸湿・保湿力に優れ、洗浄成分に配合するとつっぱり感の軽減にも役立ちます。

・これらのヒアルロン酸、セラミド、コラーゲンは元々ヒトの皮膚にも存在し、乳酸NaPCA-NA(アミノ酸)なども合わせて天然保湿因子NMFに関わる(ヒトが作り出すことができる保湿)成分です。

ハチミツ

 ■保湿・保水剤

食品のハチミツとは違い、アレルギーや濁りの原因物質を取り除いたものが配合されています。
主な効果は肌荒れ防止で、肌の薄い箇所にも利用できる特徴があります。

尚、ベース成分ではなく「ハチミツエキス」として使用する場合は色や香りが残っています。

油性成分

・油性成分の効果は皮膚の保水・柔軟・保護作用の他、色素成分を均一に広げたり、化粧ノリを良くし、クレンジング効果も備えています。

・形状は液状(オイル状)とペーストの半固形、固形の3つに分かれ、成分は合成、鉱物、天然(植物/動物)の3つに分けられます。

種類特徴
炭化水素水分の蒸発を抑制。保水に優れ、乳化しやすい。
高級脂肪酸炭化水素+カルボキシル基
アルカリ成分と混ぜて使う場合が多い。石ケン合成に利用。
高級アルコール炭化水素+水素基
クリームのかたさ調整、乳化補助として利用。
油脂天然の油性成分
液体は油、個体は脂。
水分蒸発の抑制や柔肌のエモリエント効果に優れる。
ロウ(ワックス)高級脂肪酸+高級アルコールが結合した構造を持つ天然の油性成分。
かたさ調整、ツヤ出しに。
エステル油天然と同じ構造or合成の油性成分。
様々な用途があります。
シリコーンシリコーンは水に溶けにくいですが、油にも溶けにくく、各所によって分類が異なっています。
そして「シリコン」はケイ素(金属元素)であり、「シリコーン」は化合物である酸化ケイ素となっています。
(なのでシリコン表記は実際はシリコーンの場合も)

水に全くなじまず保水に優れる油性成分は炭化水素。これはスクワラン、ワセリン、ミネラルオイルなどが該当します。

トリエチルヘキサノインミリスチン酸イソプロピル、エチルヘキサン酸エチルは一般的なエステル油で、1,2-ヘキサンジオールやシクロペンタシロキサンなどはエステル油ではありません。

そもそもエステルとは動物・植物に含まれる油脂、ロウ(ワックス)を指します。
酸とアルコールの反応によってできる化学物質(天然には存在しない合成成分)をエステル化物と称し、化粧品分野ではこれをエステル油と呼びます。

・ロウの中ではホホバ種子油、キャンデリラロウなどは植物由来。ミツロウ、ラノリンは動物由来。モンタンロウなどは鉱物由来のロウになります。
これらのロウは高級脂肪酸と高級アルコールが結合しており、天然の油性成分です。

・油性成分の中でも高級脂肪酸として一般的なものはラウリン酸ミリスチン酸パルミチン酸ステアリン酸、オレイン酸などになります。

・シリコーンを代表する成分はジメチコン、シクロペンタシロキサン、メチルフェニルシロキサン。ウォータープルーフ系は主にシリコーンのおかげ。

・水に馴染みにくいのは 炭化水素(全く馴染まない)>>高級アルコール/エステル油

解説
高級アルコール/エステル油もほぼ水と馴染みませんが、分子に酸素を含んでいるためその部分だけわずかに馴染みます。
ただし全体が水に溶ける程ではなく、この性質が乳液やクリームの設計と密接に関わっている との事です。
解説
ベース成分で言われる「高級」とは価値ではなく、炭素鎖が長く(元素記号の”C”が連なっている)水に溶けない/溶けづらいものを指します。
明確な「低級」との区分はありません。
スクワラン

 ■炭化水素

・ヒトの皮脂中にも存在しますが、それはスクワレン。スクワランはスクワレンを水素と結合させて酸化、紫外線や熱に強くし安定(非常に安定している)させたものです。

・深海鮫の肝油サプリメントでも有名なスクワレンを水素添加したものが動物性のスクワラン。
オリーブなどから抽出したものは植物性のスクワランとなります。

・主な効果は保湿・収れん・柔軟作用、肌バリア機能の向上によりあせもやニキビ(吹出物)予防の改善も担います。
皮膚への浸透性が高く潤滑でベタつかず、皮膚への刺激も少ないです。

ミネラルオイル

 ■炭化水素

・石油から得る成分。
ワセリンとの違いは室温で液体のミネラルオイル/室温で個体のワセリン と本質的には同じと考えられています。

・肌への吸収性が低く表面に留まりやすいため、水分蒸発を防ぐ効果があります。クレンジング力も高いです。

解説
これら鉱物油の悪いイメージ(1970年代)は不純物が混ざり精製度の低い鉱物油が使われていた時代のイメージを引き継いでしまっているそうです。
現代では高い精製技術により安全性も高くなり、ベビーオイルの原料になるほどです。
刺激が気になる方は、植物、動物、鉱物云々ではなく純度を気にした方が良い との事。
ステアリン酸

 ■高級脂肪酸

・植物油、動物脂など天然油脂を加水分解することで、水性成分のグリセリンと共に得られるのがラウリン酸、ミリスチン酸、そしてステアリン酸 などです。
この得られた高級脂肪酸群をそのまま混合物として配合する場合、ヤシから加水分解されたものは「ヤシ脂肪酸」(=グリセリンを除いたもの)と表記されます。

・この高級脂肪酸は伸び、硬度のテクスチャー調整に利用されています。

セタノール

 ■高級アルコール(旧表示指定成分/ごくまれにアレルギーを引き起こす成分。現在はこれ以外の全成分表示も義務付けられています。)

・ステアリン酸と同じく植物油、動物脂など天然油脂原料にて化学処理・分離されたものです。
主にテクスチャーの改良や乳化を安定させる界面活性として利用されています。

ホホバ種子油

 ■ロウ

・ホホバ種子から抽出した植物性のロウ。
保湿効果が高く、皮膚に油分を補う事で水分の蒸発を防ぎ、肌荒れを防止します。

・油性成分の中でも油脂ではなくロウに該当しますが、ロウはアクネ菌のエサにはならないため肌につけてもニキビの原因にはならない(なりにくい)とされています。
同じく油性成分の油脂であるオリーブオイルと比較して酸化しにくいため劣化もしにくくなっている成分です。

・尚、オレンジラフィー油はオレンジラフィーという深海魚由来の動物性のロウですが、構造・感触共にホホバ種子油と類似している成分です。

解説
ホホバ種子油を使ったことがある方は御存じかと思いますが、約7度以下になると固まってしまう(品質劣化はありません)ので冬場は注意が必要です。
尚、シア脂(バター)は元々液体ではなく半固体の性状として分けられており、マカデミア種子油と似た構造を持っています。
ミツロウ

 ■ロウ

・ハチミツではなくミツバチの巣から精製したロウです。
古来から用途は様々ありますが、化粧品としては高い保湿力を備えています。特に機密性が高いので皮膚保護に役立ちます。

・多少のにおいアリ。

オリーブ果実油

 ■油脂

・ホホバ種子油と抽出方法は同じですが、こちらは油脂。

・先述した炭化水素(スクワランなど)とは違い、保水効果があり肌を柔軟にし水分蒸発を防ぎます。

・油脂はヒトの皮脂の40%を占めるトリグリセリドが主成分のため肌に悪影響はありませんが、ホホバ、ミツロウなどの「ロウ」とは違い、アクネ菌のエサになってしまうためアクネ菌に分解されてしまうと炎症(要はニキビ)を引き起こす可能性があります。

脂質平均値
トリグリセリド41.0%
ワックスエステル25.0%
遊離脂肪酸※16.4%
スクワレン12.0%
ジグリセリド2.2%
コレステロール
エステル
2.1%
コレステロール1.4%
※遊離脂肪酸はパルミチン酸、オレイン酸、パルミトレイン酸、ミリスチン酸ステアリン酸ラウリン酸、リノール酸 など
(出典:CiLA 化粧品成分検定公式テキスト より)
ミリスチン酸イソプロピル(IPM)

 ■エステル(旧表示指定成分)

・高級脂肪酸のミリスチン酸+石油から得られるイソプロパノール(低級アルコール)を合成することでミリスチン酸イソプロピルがうまれます。

・皮膚への浸透性が良くサラッとした感触を与えます。
ハンドクリーム、LF、クレンジングオイルに利用されています。

ジメチコン

 ■シリコーン

・低分子の場合は軽いテクスチャーで揮発性あり。主に洗い流さないトリートメントに利用。
高分子の場合は粘度が高くコーティング力に優れ、揮発性はなし。洗い流すものはこちらを利用。

どちらも撥水(水をはじく)性が高いです。

シクロペンタシロキサン

 ■シリコーン

・肌に付くと徐々に揮発するためLFや日焼け止めに使用するとベタつかずサラっとした感触を与えることができます。

解説
「ノンシリコン(シリコーン)」製品が注目されているためシリコーン配合の製品が敬遠され誤解が生まれているかもしれません。

シリコーンは皮膜を作るのでパーマ液などの溶剤の浸透を妨げることがありますが、逆に髪のツヤや指通りを良くし、皮膜の重さによりボリュームを抑える効果があり、傷みを防ぐ事もできます。

毛穴を塞いだり、皮膚呼吸を妨げる事はありません

界面活性剤

化粧品のベースとなっている通り界面活性剤も欠かせない成分です。

水と油の境目を界面と言いますが、水分と油分が配合されている化粧品ではこれらを混ぜなければなりません。そこで登場するのが界面活性剤です。

中身は「親水基」と「疎水基」(親油基)から成り、水と油の仲を取り持ちなじませます。

実はコレ、人体にも存在する成分で食品にも多く扱われています。
マヨネーズは卵黄レシチン、母乳はガゼインという成分が界面活性剤としての役目を担います。

■乳化

このマヨネーズや母乳は各界面活性剤のおかげて乳化している状態です。
しかし乳化という状態は完全に水と油がとけ込んでいる訳ではなく、お互い細かい分子になって分散、ある程度安定している状態です。

この乳化している状態にも2に分けられ、母乳のように水分が多くその中に油性成分が分散しているものを「O/W型」(Oil in Water)、マヨネーズのように油分の中に水が分散しているものを「W/O型」(Water in Oil)と呼びます。

粘度でも分かるかと思いますが、「O/W型」はある程度水で洗い流すことができ、「W/O型」はできません。

ちなみに化粧水など水性成分に保湿剤などを加えたものは「W型」、油性成分だけで作られたものを「O型」と呼びます。

解説
天然だから安全、人工(合成)だから危険という概念は通じません。
天然界面活性剤のサポニン類でも赤血球の溶解作用を持つものも存在します。
どちらを信頼するかは自身次第ですが、下手に自作したり成分の分からない石鹸を使うよりも、安全面を常に研究している化粧品の成分の方が安全と捉える方も多い かも。
働き詳細
洗浄油汚れを疎水基で包み、親水基が水になじませることによって洗浄します。
仕組みは同じでもスキンケア以外の洗剤は強い界面活性剤=強い洗浄力の場合が多いです。
乳化分離させずに長時間水と油を均一に混ぜて保つ作用。
分散乳化は液体同士、分散は形状が違う液体+固体を均一に混ぜ、保持する作用。
例を挙げると、粉末ココアが水や牛乳と均一に混ざって(分散して)いる状態。
湿潤該当する個体や皮膚を濡れやすくする作用。
化粧水などを肌へなじみやすくします。
(出典:CiLA 化粧品成分検定公式テキスト より)
解説
湿潤の作用を考えると、洗顔料は単に汚れを落とすだけではないという事。化粧ノリや化粧水を有効的に使うには朝の洗顔は必須と言えるでしょう。
種類特徴代表的な成分肌への刺激
アニオン
(陰イオン)
・洗浄力が強く、泡立ちが良い
・乳化・分散・洗浄に利用。
肌ではボディソープやシャンプー。
衣類や食器にも
石ケン素地
ラウレス硫酸Na
・オレイン酸Na
・ラウリル硫酸Na
ココイルグルタミン酸Na
・ココイルメチルタウリンNa
比較的弱め
カチオン
(陽イオン)
・帯電(静電気)防止、殺菌効果
・ヘアケア製品やデオドラントの殺菌用に
ステアルトリモニウムクロリド
ベンザルコニウムクロリド
・他「○○ブロミド」
やや強い
アンホ
(両性)
・陰と陽を備え、特に刺激・毒性が低い。
・陰イオン性時は洗浄力、陽イオン性時は殺菌力。
どちらも効果はマイルド。
泡立ちや乳化安定の補助としても。
コカミドプロピルベタイン
ラウラミドプロピルベタイン
・ココアンホ酢酸Na
水添レシチン
・他「○○オキシド」
弱い
ノニオン
(非イオン)
・水に溶けてもイオン化せず他との組み合わせが出来る。
・洗浄力がマイルドで泡立ちも少ない
・乳化剤や可溶化剤、増粘剤、食洗機用洗剤としても。
オレイン酸ポリグリセリル-10
PEG-60水添ヒマシ油
ポリソルベート60
ステアリン酸ソルビタン
・イソステアリン酸PEG-20グリセル
極めて弱い
これらは水に溶けた時のイオン化した状態から。
(出典:CiLA 化粧品成分検定公式テキスト より)

・非イオン界面活性剤は、疎水基や親水基の種類や結合度合いを変えることで親水性or親油性のどちらかの性質を強く持った成分を合成できます。
なので同じ非イオン界面活性剤でも、「ポリソルベート60」は水に馴染みやすい親水性で、「ステアリン酸ソルビタン」は油に溶けやすい親油性の成分が存在します。

ラウレス硫酸Na

 ■アニオン(旧表示指定成分)

・石油、植物由来から合成。

・油への洗浄力が大変高く、微量でも高い泡立ちが可能。
起泡力も高くクリーミィな洗顔料はラウレス硫酸Naが使用されている場合が多い。

読み間違いやすいラウリル硫酸Naは刺激が強く顔には向きません。

・アニオン界面活性剤の中でシャンプーに向いている成分はラウレス硫酸Naです。
石ケン素地・カリ石ケン素地は水に含まれるカルシウム・マグネシウムイオンなどのミネラル分と結合して生成される「石ケンカス(不溶性の油性成分)」が触れた髪の毛をギシギシにしてしまうのでシャンプーには向いていません。

その点、ラウレス硫酸Naは不溶性成分を生成せず、低刺激です。

ココイルグルタミン酸Na

 ■アニオン

・ヤシ脂肪酸やアミノ酸から合成。

・アミノ酸系の界面活性剤は刺激が低く原価が高い。
低刺激な分、洗浄力も弱めながらつっぱりくく、柔軟効果も備え子ども用シャンプーにも使われています。

・高い生分解性あり。
生分解とは微生物によって分解される事。生分解性が高い物質は環境面に配慮できる反面、腐りやすく品質保持には難あり。

・グルタミン酸はアミノ酸の1種。他にもグリシンやアスパラギン酸などありますが、アミノ酸の種類によって使用感や泡のきめ細かさが変わってきます。

石ケン素地

 ■アニオン

・高い洗浄力と生分解性。

・油脂や高級脂肪酸に水酸化Naなど強アルカリ性の成分と反応させて作ります。
尚、水酸化Naの場合は「石ケン素地」ですが、水酸化K(カリウム)の場合は「カリ(K)石ケン素地、両方の場合は「カリ含有石ケン素地」となります。

・固形石ケンに多用され、ふさわしい成分はアニオン界面活性剤の中でも水に溶けにくい石ケン素地で
洗顔フォームの場合は低温でも固まりにくく溶けやすいカリ(K)石ケン素地となっています。

ステアルトリモニウムクロリド

 ■カチオン(旧表示指定成分)

・ヤシ油などの脂肪酸に陽イオンをつけたもの。

毛髪を柔軟にし、静電気を防ぐためヘアコンディショニング製品に利用されます。

コカミドプロピルベタイン

 ■両性

・ヤシ油脂肪酸にベタイン(クコやサトウ大根由来)を結合。

・高い生分解性があり、粘りの調整や泡のきめ細かさが生まれます。

・ココイルグルタミン酸Naと同じく低刺激、柔軟効果があり用途も同じく。

解説
この「コカミド」や「ココ」はココナッツのココ/コカ(ココアミド)。もちろん原料はヤシなので、覚えておくと理解・特定しやすいですね。
ココナッツ系は生分解性が高い
水添レシチン

 ■両性

・界面活性剤の冒頭で書いた大豆や卵黄から抽出したレシチン=リン脂質を水素添加して熱や酸化の安定性を高めた(レシチンのままでは劣化しやすい)成分。

・ベタつきがなく、しっとり柔らかい独特の使用感。
「独特」というのはリポソームによるもので、

特殊な性質を持った界面活性剤でつくられる、独特な構造のカプセルです。
界面活性剤分子が、疎水性部分同士を向き合わせて親水性部分を両側に向けた二重構造をつくり、それが玉ねぎのように球状に何層も重なった構造をしています。
特定の成分を効果的に届けたり、安定性を高めることが期待されています。
(引用:CILA 化粧品成分検定公式テキスト/P179 より)

解説
成分名になっている「水添」は水素添加の略。
PEG-60水添ヒマシ油

 ■非イオン

・トウゴマの種子から抽出されたヒマシ油を水素添加、石油由来の酸化エチレンを原料としています。

・香料を溶かしこむ際に使用され、界面活性剤の中でも目薬にも使用される程(しみない)刺激が低く安全性も高い成分。

・数値の60は大きい程水になじみやすく、小さいほど油になじみます。
(10以下は刺激が強いとされ、大きくなるほど刺激が小さくなる との事)

オレイン酸ポリグリセリル-10

 ■非イオン

オレイン酸(高級脂肪酸)とグリセリンを結合したもの。

・分散させる働き優れ、顔料のファンデーションに利用。

解説
カタナカが多く美容成分と違い、ベース成分は聞き慣れない&似た名前が多いので一番難しいかもしれません。

脂肪酸であれば「○○酸」、アルコールであれば「○○アルコール」、「○○ノール」
シリコーンは「○○コン」、「○○サン」
など名前の特徴から入るのもアリかと。

また、ジ=2 ヘキサ=6 など組み合わさっている言葉を理解しておくとより良い感じ。≫参考/化粧品成分の覚え方

解説
但し名前の特徴に関しては例外あり。検定や資格の用途にもよりますが、実践的な知識が欲しい場合は最終的には全部覚える(厳しい)。